"イロイロ" FAQ

よくある質問をまとめました。

一般知見

Q1.
光源によって色相が違って見えるのは何故ですか?
A1.

光とは電磁波の一種で、人間が視覚で感知できる範囲が可視光線となります。

その光が、対象物に当たって反射や吸収され、その結果を「色(色相)」として人間は認識しています。

そしてこの可視光線の中にも赤や黄、青、紫といった各種の光(波長)が集まっており、太陽光や蛍光灯、白熱電球等の光源によってこの比率に差があります。

そしてその光源が含む波長により、反射や吸収される割合も変わるため、色相が違って見えるのです。

なお、国際的に取り決められた標準光も複数ありますし(A光源、C光源、D光源など)、太陽光でも昼光や北窓自然光など各種の条件もあり、これら光源と色を見る条件を合わせて確認しないと、判断を間違ってしまうこととなるため、色相を判定する際は光源について気をつける必要があります。

Q2.
調色とは何ですか?またそれは具体的に何のために行うのですか?
A2.

有彩色(赤、黄、緑、青色など)や無彩色(白、灰、黒色など)の各種色材を混ぜ合わせ、目標の色に合わせる作業を「調色」と呼びます。

各種のプラスチック製品が開発されると、それら製品には意匠性や識別、性能向上などの各種目的に応じて何らかの着色がされている事が多く、それら目標とする色に合わせた調色が必要となります。

使用するプラスチック種や使用条件によって、同じ配合でも発色が大きく異なることも多く、使用する色材の配合を調整することが必要です。

かつては、ベテランの調色者が目標色を確認し、経験や勘orカンを元に配合を調整していましたが、現在は分光光度計等の測色計で測色し、コンピューターを用いたソフトウェアで色配合を計算することが一般的となっています。

   ➡当社「調色技術」
Q3.
分散技術とは何ですか?
A3.

プラスチックの着色や様々な機能を付与するために使用される顔料やフィラーは小さな微粒子から成りますが、一次粒子の状態で存在する事は殆どなく、複数の一次粒子が集まり、凝集・結合した二次粒子(二次凝集体)の状態で存在しています。凝集の強さや形態などにより、アグリゲート(Aggregate)、アグロメレート(Agglomerate)などと呼ばれる状態があります。

そしてこれら凝集体の状態では、本来の発色や機能性が得られない事も多く、また使用されるプラスチック製品の外観不良や物性低下、製品そのものの生産性を悪化させるなどの不具合が出てしまいます。

これら顔料やフィラーの二次粒子を一次粒子に近づけるべく、プラスチックなどの媒体になじませ、機械的エネルギーを加えてほぐし、再凝集しないよう粒子の状態を安定化させることを、分散技術といいます。

Q4.
マスターバッチやコンパウンドの意味を教えてください。
A4.

プラスチック製の工業製品に使用される殆どのプラスチック原料において、主材となるプラスチックの他、顔料や染料といった着色材、充填剤、酸化防止剤などの安定剤、可塑剤などが添加されています。そうした着色材や添加剤を、プラスチック中に高濃度に練りこんだペレット状(粒状)のものを、マスターバッチ(MB)と呼びます。

一般的に、プラスチックを成形加工する際にこれらマスターバッチを所定量添加し、希釈して使用されます。また希釈して使用する材料の内、マスターバッチの他にパウダー状のものはドライカラー、液体状のものはリキッドカラーやペーストカラー、粗粉状のものをマスターパウダー、などといいます。

これに対し、最終の工業製品に含まれる着色材や添加剤などを練りこみ、希釈せずそのまま成形できるように加工したプラスチック材料をコンパウンドと呼びます。ペレット状(粒状)の他、パウダー状やペースト状のものなどもあります。

Q5.
プラスチックへの機能性付与とは、具体的にどういう事でしょうか?
A5.

プラスチックは我々の社会の中で、様々な用途で使用されていますが、その使用条件や特性に応じて各種の添加剤が添加されています。意匠性付与や識別などの目的で添加される染料や顔料といった着色材も添加剤の一つです。

プラスチックは有機物ですので、熱、光、酸素など様々な外的要因で劣化しますが、建材や自動車など長期耐久性が要求される用途向けには、酸化防止剤や耐候剤などが一般的に添加されています。

また、各種フィルム状のプラスチック製品なら、滑り性付与のためにアンチブロッキング剤(AB剤)滑剤(スリップ剤)などが添加されています。

またこうした最終製品への機能付与だけでなく、製品生産の上での各種不具合を改善する添加剤も多種存在します。

こうしたプラスチック単独で対応できない各種課題に応じて、着色材や添加剤を添加し解決を図ることを、機能性付与といいます。

当社製品・技術

Q1.
色替え用に使用するパージ材はありますか?
A1.
ポリオレフィン系やポリスチレン系などの汎用樹脂用には、当社パージ材として「キノプラス®パージ」がございます。押出(フィルム含む)、射出成形用として、色替えの他、成形機内のヤケ除去にも優れた効果がございます。
使用条件など含め、詳細はお問合せください。
Q2.
成形時に発生するメヤニ低減、抑制に有効な製品はありますか?
A2.

各種フィルムや押出成形では、しばしばメヤニと呼ばれる異物が経時で発生、成長し、成形品の外観や生産性に悪影響することがあります。これらメヤニの発生原因としては、配合中の顔料やフィラーに含有される水分や揮発分の他、樹脂成分の劣化物(低分子量物)などが成形機のダイス付近で堆積し、それらがまた徐々に搔き出されていくことで各種不具合を引き起こします。

当社ではこれらメヤニ発生を抑制する処方改良の他、外添で使用できるメヤニ防止MBなどの提案も行っていますので、お気軽にお問合せください。

Q3.
どのような色見本、成型見本が作成出来ますか?
A3.

当社では、各種フィルム成形(インフレーション、Tダイ)、射出成形で色見本、成形見本の作成が可能です。

射出成形では、平板、3段、各種シボ、カップ型など各種金型の他、ISOやASTM、燃焼試験、成形収縮率等の物性評価用のテストピースも成形可能です。

尚、特殊な材料、条件での成形については、別途ご相談ください。

Q4.
色見本帳が欲しいのですが、頂けますか?
A4.

当社色見本帳はLDPEフィルム用、HDPEフィルム用として各色をラインナップしています。
ご要望がございましたら、以下当社窓口までお問合せください。

お問い合わせフォームまたは電話にてお問合せください。

営業部 色材・成形G(大阪) TEL 06-6205-4350 FAX 06-6205-4301
色材・成形G(東京) TEL 03-6837-9379 FAX 03-6837-9408
Q5.
スリガラス調の意匠性付与できる材料を探しています。
紹介できるものはありますか?
A5.

従来プラスチック容器のスリガラス調付与には、成形後にフロスト処理を行うなど二次加工が必須であり、コストや生産性に課題がありました。

当社で新たに開発した「KASUMI®COLOR」は、通常のMBと同様に添加して成形いただくことで、これらスリガラス調の外観が得られるMBです。

射出成形、及び各種ブロー成形で対応可能です。またご要望に応じて各種調色もいたします。

但し、製品特性上、透明色に限ります。

Q6.
安価な蛍光性色材を探しています。
紹介できるものはありますか?
A6.

当社の集光性蛍光発色材料は、一般的に市販されている蛍光顔料・染料に比べ、大幅に安価で、且つ意匠性の高い蛍光発色が得られます。

色相は黄、オレンジの2色となります。尚、成形条件の制約や耐候性など課題もございますので、詳細はお問合せください。

Q7.
塗装ではなく、原着による意匠性付与できるマスターバッチを探しています。
PLASiSTで対応可能ですか?
A7.

自動車部材では、軽量化を目的とした金属代替や、脱VOCによる非塗装化が注目されており、当社では、この様なニーズに対して多種多様な顔料を用いた調色設計が可能です。

高輝度のパール顔料やアルミ顔料の他、当社独自の集光性蛍光発色材料や染顔料との組み合わせにより、お客様のご要望に応じて各種色調を再現いたします。

また、化粧品容器や各種OA機器など意匠性の高い色調を求められる用途でも、上記光輝性顔料の他、こちらも当社スリガラス調付与の「KASUMI®COLOR」などの色材を用いたマスターバッチにて、お客様よりご好評をいただいています。

詳細はお問合せください。

Q8.
繊維強化プラスチック(FRP)コンパウンドの加工先を探しています。
PLASiSTで対応可能ですか?
A8.

当社ではGF(ガラスファイバー)やCF(カーボンファイバー)などの繊維を用いて強化したプラスチックの受託加工を行っています。

これら繊維強化プラスチック(FRP)では、加工面では嵩高い繊維の供給安定性が、また品質面では繊維の解繊不良や繊維長低下などが長年の課題としてありましたが、当社では新たに開発した設備、条件にてこれら課題を克服し、高吐出、高品質の生産条件を確立いたしました。

各種エンジニアリングプラスチックやスーパーエンプラでの加工や、各種機械物性やその他特殊評価など、お客様の要望に応じて各種対応いたします。

試作から生産まで幅広く対応いたしますので、お問合せください。

Q9.
指定の顔料やフィラーを用いた液状の分散加工できるところを探しています。
対応可能ですか?
A9.

当社では、捺染や抄紙着色等の多数用途で実績のある水性着色剤「POLLUX®COLOR」を始め、有機溶剤を媒体とした顔料・フィラーの分散体など、各種の液状分散体を長年加工、販売しています。

分散させる材料や媒体、濃度や処方等に応じて、分散加工機だけでなく、前処理、後処理の各種設備を駆使し、最適な分散条件で加工可能です。

またこれら液状分散の加工工場は、防爆仕様で紫外線管理、クリーン管理を行った環境になっています。

ご指定の顔料、フィラー、分散媒体などに応じても設計いたしますので、お気軽にご相談ください。

Q10.
コンタミを非常に嫌う製品を取り扱っており、それら製品の分散加工できるところ探しています。
クリーン管理された環境での加工は可能ですか?
A10.

当社では、クラス管理したクリーン環境の工場を保有しており、コンタミや異物をケアした各種添加剤マスターバッチや液状分散体などの生産が可能です。

また食品用途や高品質フィルム関係など、厳しい異物管理を要求される着色マスターバッチなどの製品についても、上記に準ずるクリーン環境の工場を整備しており、多数の生産実績もございます。

Q11.
PLASiSTとしての環境問題への取り組みを教えて欲しい。
また、環境影響や各種取り組みに貢献できる製品を紹介してください。
A11.

PLASiSTは、エネルギー資源の効率的利用、プラスチック資源循環への貢献を経営として取組むことを最重要課題としています。

温暖化対策や環境負荷低減などに貢献する製品、技術に対し、その開発や普及を促進する取り組みである「Sumika Sustainable Solution(SSS)」に認定された二層構造ペレット技術を始め、当社の各種製品、加工技術によって、SDGsの各種目標達成に向け取り組んでいます。➡PLASiSTのCSR活動

例えば、プラスチックのリサイクル用途には、変色や臭気防止、機械強度や分子量向上など、各種要望に応じたMBを提案可能です。

またバイオ樹脂用には着色剤、機能性材料のMBも提案いたします。

その他受託加工では、上記SSS認定の二層構造ペレット技術を始めとした漏洩・流出防止技術の他、各種トラップなどの回収技術といった各要素技術を駆使し、環境負荷物質の排出抑制、低減を行い、作業者や環境への影響を極力抑えています。

GHG削減やSDGsへの各種取り組みに対し、当社はこれら”環境に優しい”各種製品や加工技術にて貢献してまいります。是非お問合せ、ご相談ください。

Q12.
プラスチックリサイクルに関連して推奨できる製品はありますか?
A12.

ポリオレフィン製のシートやトレー等の端材リサイクル用途向けには、当社の「キノプラス®EMB-3200シリーズ」が長年ご使用されています。

これら端材リサイクルでは、回収した端材を破砕し、再度原料として少量添加され使用されますが、繰り返し使用する事で変色や物性低下、臭気等の問題が発生しやすくなります。

当社の当該マスターバッチを添加する事で、それら悪影響を抑制し、改善する事が可能です。

上記の他、各種プラスチックのマテリアルリサイクル時の物性回復や品質改善についてのご相談も承っておりますので、お気軽にお問合せください。

Q13.
バイオマス材料の製品を取り扱っていますか?
A13.

生分解性樹脂同様、SDGsや脱炭素化への取り組みがプラスチック関連業界の中でも進む中、お客様からのバイオマス由来の材料の取り扱いや加工要望も増えてきています。

ご要望に応じ設計や加工検討いたしますので、お気軽にお問合せください。

Q14.
生分解性樹脂ベースのMBを探しています。
紹介できるものはありますか?
A14.

近年、海洋プラ問題や環境負荷低減への意識の高まりと共に、生分解性樹脂を用いた製品のお問合せや照会も増えています。

当社ではポリ乳酸(PLA)やPBATを始め、各種の生分解性樹脂の加工や着色材、機能性添加剤のMBなど検討を行っています。

ご要望に応じて各種設計もいたしますので、お気軽にご相談ください。ご要望に応じ、グリーンプラ等の認証登録も可能です。